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2011年8月19日金曜日

健全より報告- 保護司の会主催「よりよい町づくり」(7/13)

2011年7月13日に、保護司の会により、「よりよい町づくり」の研究会が行われ、こうべ小の健全育成委員から3名の方が参加してくださいました。
どんな会なのか皆様にも知っていただきたいので、研究会の様子を報告していただきました。

ある事例を提示され、それに関して参加者が小グループで話し合う、という形式だそうです。
毎年行われていますので、ご興味を持たれた方は、次の機会に是非ご参加ください。会が行われる際には、このブログで告知します。委員でなくても参加できます。

※ 今回参加してくださった委員の方には、詳細な報告をメールや口頭でいただきました。今までこのような情報が入手しにくかったので、大変助かります。お忙しい中、ありがとうございました。


<会の内容>
ある少年の事例を通して、少年を非行に走らせた現代的な環境の要因や少年自身の資質上の要因など根底に潜んでいる問題を考える。

<事例>
A君の性格
15歳(中3)。主体的に行動する事が苦手。不器用で勉強ができない事から自信が持てない。

家庭環境 
父親 49歳自営業。ワンマンで子供の話をじっくり聞く事が苦手。
母親は49歳。自営手伝い。おとなしく、優しい。父親の言う事に従う傾向。
姉  5歳上で大学生。強気な性格。

月収は手取り80万程度。
両親はやや過保護な面があるがA君に対する愛情を持っており、教育熱心。

生育歴
幼少期からおとなしく無口な子供で人としゃべるのが苦手。
成績も振るわず、小学校2年のころから卒業までイジメを受ける。
両親はそれを把握していなかったが本人の学習能力や友達が作れない特性を心配して、学習塾や空手、バイオリンに通わせた。
中学に入るとイジメは無くなったものの、先輩から金を巻き上げられたり、同級生から使い走りをさせられたりしていた。
普段はゲームなどをして一人で過ごす事が多かった。
中学一年の一学期に自室用のパソコンを買ってもらったが、2年のころにチャットを始め、のめり込んでいった。
両親は不安を感じながらも有害サイトへの遮断対応をしていたのでA君の自由にさせていた。

窃盗事件
中学2年の12月ころ、チャット上でゼロ(チャット上の呼び名)と知り合い、ゼロから次第に悪口を言われるようになった。
A君はゼロを怒らせるのが怖い気持ちが強くなり、ゼロの言いなりになった。
ゼロの言われるがままに他人を脅迫する文章を2チャンネルに投稿したり、自分の裸を撮り動画サイトに投稿したりしていった。両親も周囲もA君の変化に気付くことはなかった。
ゼロの要求は次第にエスカレートしていき、無差別殺人の予告を投稿するよう命じたり、時計などの高級品を盗むよう命令してくるようになった。
A君は中3の4月、家電量販店でビデオカメラを万引きしようとしたところを現行犯逮捕された。

<参加者の意見>
・コミュニケーション能力不足について親が自身で少年と話し合いを持たず、また話を聞いてやらず習い事などで改善を求めた事が一つの要因。
・自室に専用パソコンを持たせたが、使用について親も勉強するべき、またそれについて話し合いをすべき。
・例えば家族共用の場所で使用させる、時間制限などのルールの徹底が必要だった。
・育てづらい子に周囲が早く気付いてあげて、そのように対処する必要がある。
・どんな家庭であっても起こりうる話であるという意識を持っていなければならない。
・デジタル化の世の中では携帯電話やパソコンなど避けて通れない器物であるかもしれないが、容易に情報を入手できる反面、逆の恐ろしさがある事を親自身も学習し、子供に伝え、話し合いを持つ事が重要であると思った。

<参加した感想>
参加するまでは気が進みませんでしたが、今回の研修はグループごとの全員参加制だった事もあり、他の方の意見を聞けたり自分自身も改めて考えさせられたりして本当に意義のある研修でした。
勉強になりました。